キングオブコントとかまいたちの関係を語るうえで、最大の転機となったのが2016年の決勝3位、そして翌2017年の優勝です。山内健司と濱家隆一のコンビは、2016年に合計914点で3位に終わった翌年、合計942点を獲得して頂点に立ちました。わずか1年で順位を2つ上げただけでなく、ファーストステージとファイナルステージの両方で高得点を記録したことが、この優勝の大きな特徴です。
2017年の決勝で披露した1本目の「告白の練習」と2本目の「ウエットスーツ」は、現在もかまいたちを代表するコントとして語られます。学校を舞台にした独特の人間関係と、サーフショップで繰り広げられる予想外の展開。山内の緻密な設定と濱家の演技が組み合わさり、2本目では1本目を上回る478点を獲得しました。2026年のキングオブコント最新動向も踏まえながら、得点・順位・ネタの構造から優勝の理由を読み解きます。
【2016年3位から2017年優勝へ】かまいたちが王者になるまでの経緯

かまいたちがキングオブコントの決勝に初めて進出したのは2016年です。当時はまだ全国的な知名度を現在ほど確立していませんでしたが、ファーストステージで458点を獲得。決勝進出10組のなかで上位に入り、ファイナルステージへと駒を進めました。
しかし、最終順位は3位。優勝したライスの合計936点に対し、かまいたちは914点でした。2位のジャングルポケットも930点を記録しており、上位3組の争いはハイレベルなものでした。初出場で決勝3位という結果は十分に立派ですが、優勝には届きませんでした。
翌2017年、かまいたちは2年連続で決勝に進出します。決勝当日の2017年10月1日、1本目の「告白の練習」で464点を獲得し、ファーストステージを2位で通過。1位のにゃんこスターには2点及ばなかったものの、最終決戦で逆転する位置につけました。
そしてファイナルステージで披露した「ウエットスーツ」が、審査員から合計478点という高評価を獲得します。にゃんこスターの462点を16点上回り、総合得点は942点に到達。2016年の3位から、わずか1年でキングの称号を手にしました。
優勝後の報道では、濱家が前年の決勝との違いにも触れています。2016年は審査員の存在に強く緊張していた一方、2017年は観客を相手にする寄席の感覚でネタを演じられたと振り返りました。ネタの完成度だけでなく、大舞台で力を出し切る感覚をつかんだことも、翌年の躍進を理解する手がかりになります。
【得点・順位で比較】キングオブコント2016と2017の決定的な違い
かまいたちの成長を確認するなら、印象や評判だけでなく、両大会の採点結果を比較するのが確実です。2016年は2本とも安定した得点を獲得しながら3位。2017年はファーストステージで上位を確保し、ファイナルステージでさらに得点を伸ばしました。
| 大会・項目 | 1本目 | 2本目 | 合計得点 | 最終順位 |
|---|---|---|---|---|
| キングオブコント2016 | 458点 | 456点 | 914点 | 3位 |
| キングオブコント2017 | 464点 | 478点 | 942点 | 優勝 |
| 前年比較 | +6点 | +22点 | +28点 | 3位から1位へ |
2016年の決勝結果はマイナビニュースなどの大会当時の報道、2017年の詳細な採点結果はお笑いナタリーの大会記録で確認できます。両年とも審査員5人が各100点満点で採点し、2本目の得点を1本目に加算する方式でした。
数字から読み取れる最大の変化は、ファイナルステージでの得点の伸びです。2016年の2本目は456点でしたが、2017年は478点。22点の上積みがあり、2017年の優勝を決定づけました。
また、2017年はファーストステージでにゃんこスターが466点を獲得し、かまいたちの464点を上回っていました。それでも最終的には、かまいたちが942点、にゃんこスターが928点で、かまいたちが14点差をつけて優勝しています。
つまり、1本目で首位に立つことだけが勝利の条件ではありません。ファーストステージで上位に残り、ファイナルステージでもう一段強いネタを披露できるか。かまいたちの結果は、2本目までの総合力が問われる大会の特徴をよく示しています。
【1本目「告白」・2本目「サーフショップ」】優勝を決めた2本のコントを分析
2017年のかまいたちを語るとき、外せないのが「告白の練習」と「ウエットスーツ」です。検索では「告白ネタ」「サーフショップネタ」と呼ばれることもありますが、当時の報道では前者が「告白の練習」、後者が「ウエットスーツ」と紹介されています。
1本目「告白の練習」:設定の面白さを段階的に広げる「告白の練習」は、学校での恋愛を題材にしたコントです。山内が演じるのは、学校一の美女から告白される場面を練習する人物。そこに濱家が関わることで、単純な恋愛シチュエーションでは終わらない人間関係が生まれます。
このネタの面白さは、最初に設定を理解させたうえで、登場人物の行動や会話によって状況を少しずつ崩していく点にあります。観客は何が起きているのかを理解しながら、登場人物の思惑や反応のずれを笑いに変えていきます。
山内は、奇妙な人物を演じるだけではなく、観客が状況を理解できるようにネタの筋道を組み立てます。濱家は相手の言葉や動きに反応し、場面に現実味を持たせます。設定の独創性と演技の自然さが両立している点が、このコントの強みです。
ファーストステージの得点は464点。にゃんこスターの466点に次ぐ高得点で、かまいたちは最終決戦に進むための土台を築きました。
2本目「ウエットスーツ」:日常の設定から予想外の展開へファイナルステージの「ウエットスーツ」は、サーフショップを舞台にしたコントです。山内が演じる客が、濱家の演じる店員とのやり取りのなかで、きついウエットスーツを着せられ、脱げなくなるという状況が展開の中心になります。
サーフショップという身近な店舗の設定から始まり、試着という誰もが想像できる行動を通じて、状況が徐々におかしくなっていきます。観客が理解しやすい出発点を置きながら、そこから常識を外れた事態へ進める構成が特徴です。
ここでは、山内の身体を使った表現や、店員役の濱家が見せる反応が笑いを支えます。単に奇抜な状況を提示するだけでなく、店員と客のやり取りとして成立させることで、設定の異常さがより際立ちます。
当時の日刊スポーツの報道によると、山内は自分がネタを書き、濱家がその意図どおりに演じてくれたことを評価していました。濱家も相方を選ぶ目があったと応じており、ネタを作る側と演じる側の信頼関係がうかがえます。
この2本目は478点を獲得し、2017年大会のファイナルステージで最高得点となりました。1本目とは異なる設定と笑いの見せ方を用意したことが、総合得点の逆転につながったと考えられます。
【山内健司と濱家隆一】コントの評判を支える役割分担
かまいたちのコントを分析するとき、山内健司と濱家隆一を単純に「ボケ」と「ツッコミ」に分けるだけでは、2人の魅力を十分に説明できません。ネタの設計と演技のかみ合わせこそ、2017年の優勝を支えた重要な要素です。
山内健司:独特な設定を笑いに変える構成力山内の強みは、日常のなかに少しずれたルールや人物像を持ち込み、その設定を最後まで展開させる力です。「告白の練習」では恋愛の練習という状況を、「ウエットスーツ」では試着という日常的な行為を、独特な笑いへと発展させています。
奇抜な発想だけなら、観客が状況を理解できずに置いていかれる可能性があります。しかし、山内のネタは設定の入口が比較的わかりやすく、観客が理解したところで予想を裏切る展開が加わります。この構造が、独創性と伝わりやすさの両立につながっています。
濱家隆一:相手の異常さを引き立てる演技力一方、濱家の役割は、山内の奇妙な設定に対して適切な反応を返し、舞台上の世界を成立させることです。相手の言動に戸惑ったり、状況に合わせて振る舞ったりすることで、観客が場面を理解し、笑うための足場を作ります。
濱家が演じる人物に現実味があるほど、山内の人物の異常さが際立ちます。逆に、山内の行動がどれほど突飛でも、濱家がそれを受け止めることで、ネタは単なる奇抜な動きの連続ではなく、一つの物語として成立します。
2026年7月の「ダブルインパクト」関連取材でも、2人は漫才とコントの違いを語っています。日刊スポーツなどの報道によれば、濱家は漫才を日常に近い会話、コントをあり得ない世界を作る表現として説明し、山内もコントでは設定や演技力が評価されると話しました。こうした考え方は、2017年の2本にも通じるものです。
かまいたちのコントの評判を理解するには、設定の面白さだけでなく、2人の役割がどれほど自然につながっているかを見ることが大切です。ネタを書くだけでも、演技がうまいだけでも成立しない。その両方がかみ合ったときに、かまいたちならではの笑いが生まれます。
【かまいたちが優勝した理由】942点を支えた3つの要素
2017年の優勝理由は、単に面白いネタを2本披露したからという説明だけでは不十分です。得点の推移、ネタの違い、舞台での役割分担を合わせて見ると、少なくとも3つの要素が浮かび上がります。
1.2本目でさらに評価を高める構成2017年のかまいたちは、1本目で464点を獲得した後、2本目で478点まで得点を伸ばしました。ファーストステージの勢いを保つだけでなく、ファイナルステージでより高い評価を得た点が優勝の決め手です。
賞レースでは、1本目が高評価でも、2本目が似た展開だったり、最初のネタを超えられなかったりすると、最終順位が伸びないことがあります。かまいたちは学校を舞台にしたコントとサーフショップのコントを使い分け、異なる状況設定で勝負しました。
2.独創的な設定と観客の理解しやすさを両立「告白の練習」も「ウエットスーツ」も、出発点は観客が理解しやすい日常的な場面です。恋愛の練習、店舗での試着という入口から、登場人物の言動によって予想外の展開へ進んでいきます。
設定が複雑すぎれば、観客は笑う前に状況を理解する必要があります。反対に、設定が単純すぎれば、展開が読まれてしまうこともあります。かまいたちの2本は、わかりやすい入口と意外性のある展開を組み合わせることで、この難しさに対応していました。
3.ネタの設計と演技の精度が一致していた山内が作った設定を、濱家が意図に沿って演じる。加えて、濱家の反応が山内の人物を際立たせる。この相互作用が成立しているため、観客はネタの状況を追いやすく、笑いのポイントも伝わりやすくなります。
2017年の優勝を「山内の発想力だけ」「濱家の演技力だけ」と説明するのは正確ではありません。942点という結果は、ネタの構成、人物の演じ分け、2本を通した完成度が評価されたものです。
なお、得点は審査員5人の採点を合計した大会結果であり、優勝理由を一つの要素に限定することはできません。上記は公表された採点結果と当時の報道を照らし合わせた分析です。
【キングオブコント歴代優勝者と2026年最新情報】かまいたちは今どこにいる?
キングオブコントは2008年に始まり、歴代王者には東京03、ロバート、バイきんぐ、シソンヌ、ライス、かまいたち、ハナコ、どぶろっく、ジャルジャル、空気階段、ビスケットブラザーズ、サルゴリラ、ラブレターズなど、個性の異なるコント師が名を連ねています。優勝者の顔ぶれを見ると、独創的な設定を軸にする組もいれば、演技や身体表現、会話の精度で勝負する組もあり、コントの多様性がうかがえます。
かまいたちは2017年の優勝だけでなく、2019年にはM-1グランプリで準優勝しています。コントと漫才の両方で結果を残したコンビとして、賞レースを振り返る際にも存在感があります。
2026年のキングオブコントは、10月17日に決勝が行われ、ジェラードンが19代目王者に決定しました。大会公式サイトによると、2026年は大会史上初の敗者復活戦が導入され、決勝の審査員も従来の5人から7人体制に増員されています。大会の仕組み自体も変化を続けていることがわかります。
また、2026年7月には、かまいたちが「ダブルインパクト」の司会を務め、漫才とコントの違いについて取材で語りました。日刊スポーツなどの報道では、2人は漫才では本人同士の会話の面白さ、コントでは設定や演技によって作る世界の面白さが重要になるという考えを示しています。
この発言は、2017年のキングオブコント優勝を振り返るうえでも示唆的です。かまいたちは、単に山内が面白い発想を出し、濱家がツッコむコンビではありません。設定のなかに登場人物を置き、2人の演技によって一つの世界を作り上げるコント師でもあります。
2016年の決勝3位から2017年の優勝までの変化は、その実力が採点結果として表れた瞬間でした。そして2026年現在も、2人がコントと漫才の違いを語り、番組の進行や芸人の表現について発信していることから、キングオブコント優勝は単なる過去のタイトルではなく、かまいたちの芸を理解する重要な出発点となっています。
【キングオブコントかまいたち】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:かまいたちはキングオブコント2017で何点を獲得しましたか? A1:合計942点です。1本目の「告白の練習」が464点、2本目の「ウエットスーツ」が478点で、最終順位は1位でした。
Q2:かまいたちはキングオブコント2016で何位でしたか? A2:初めて決勝に進出し、合計914点で3位でした。ファーストステージが458点、ファイナルステージが456点で、翌2017年に優勝を果たしています。
Q3:かまいたちが優勝した理由は何ですか? A3:2017年は、1本目で上位につけたうえで、2本目にさらに高い478点を獲得したことが大きな要因です。山内の設定・構成力、濱家の演技力、そして異なるタイプの2本を披露した構成が、優勝を支えたと考えられます。
Q4:2017年の「告白ネタ」と「サーフショップネタ」の正式な呼び方は? A4:当時の報道では、1本目が「告白の練習」、2本目が「ウエットスーツ」と紹介されています。「告白」「サーフショップ」は、それぞれのネタを内容から呼ぶ際に使われる表現です。
Q5:キングオブコント2026の優勝者は誰ですか? A5:2026年10月17日の決勝で、ジェラードンが19代目王者に決まりました。2026年大会では史上初の敗者復活戦が導入され、決勝の審査員も7人体制となりました。
キングオブコントにおけるかまいたちの軌跡は、2016年の決勝3位から2017年の優勝へと続く、数字で確認できる成長の記録です。2016年の914点に対し、2017年は942点。とりわけ2本目の得点が456点から478点へ伸びたことが、順位を大きく変えました。
「告白の練習」と「ウエットスーツ」は、異なる設定を使いながら、観客が理解しやすい状況から予想外の展開を生み出す点で共通しています。山内健司の構成力と濱家隆一の演技力が組み合わさり、2本を通した完成度につながりました。
かまいたちの優勝を振り返る際は、得点だけでなく、1本目と2本目の違い、登場人物の関係、設定が展開していく過程にも注目すると、コントの面白さをより深く理解できます。2026年の大会がジェラードンの優勝と新たな審査制度の導入を迎えた今も、2017年のかまいたちは、2本のコントで逆転優勝を実現した王者として、キングオブコントの歴史に刻まれています。